vscode(Visual Studio Code)はMicrosoftが提供する多機能なエディターです。様々なプラグインや各言語似対応したハイライト、ターミナルの利用までもできるのでとても便利です。
よく利用されている言語としてRがあり、Rを使っている人の多くがR studioを利用されていると思いますが、R (Rmarkdown) + R studio = vscode + Jupyter labといったイメージになります。
結局は好みなのですが、vscodeは幅広い言語とプラグインが魅力的なので、R studioをいつも使われている方は、vscodeにも手を出してみると面白いかもしれません。
環境
PCスペック
実行しているPCのスペックを記載しておきます。今回は環境を整えるだけなので簡単な情報だけです。
- OS : Ubuntu 22.04
- CPU : Ryzen 5950X 32 threads
- Memory (RAM) : 128GB
Windowsの場合は、Windowsであればwindows terminal + WSL2 + Ubuntu で同じような動作環境を得ることができると思います。
動作環境の前提条件
- shellスクリプトの実行が可能な環境が必要です。
Windowsは、絶対ではありませんがwindows terminal + WSL2 + Ubuntuが外れなくて良いと思っています。 - pyhon3が必要です。
- condaをベースのコマンドを利用します。Anacondaかminicondaのどちらかが一般的で間違いないと思います。
方針
以下の方針で進めていきます。
- vscodeのインストール
- vsocodeにJupyterパッケージをインストール
- 仮想環境の作成, RとIRkernel, jupyter labのインストール
- IRkernelを使ったJupyter kernelの作成
- Kernelの指定とJupyter labでのRの実行
いざ実施
vscodeのインストール
以下のサイトから自身のOS似合うvscodeをインストーラーをダウンロードして、手順に従ってインストール。

Windowsであれば “Windows10, 11″をクリックすると、.exe形式のインストーラーがダウンロードされるので指示に従ってvscodeのインストールを進めてください (私はUbuntuなので.debを形式のファイルをダウンロードしてaptでインストールしました)。
vsocodeにJupyterパッケージをインストール
後で作成する仮想環境にcondaを使ってjupyter labをインストールしますが、実行環境にもjupyterパッケージをインストールする必要があります。
インストールしたvscodeを起動したら、Microsoftから提供されているjupyterパッケージをExtensionからインストールします(以下の図は既にインストール後なのでDisableになっています)。

仮想環境の作成, RとIRkernel, jupyter labのインストール
vscode上で Shift + Ctrl + @ を同時押ししてTerminalを起動します。起動したら以下のコマンドを実行してR431_envという仮想環境を作成します。それと同時に、R, IRkernel, jupyterlabもインストールします。
Note : 会社でサーバーPCで解析をしている場合は、r-languageserverを追加してください。
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mamba create -n R431_env python=3.11 r-base r-IRkernel jupyterlab -y |

最後にmamba activate R431_env
と出てこればOKです。

指示に従って仮想環境をactivateします。
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mamba activate R431_env |
IRkernelを使ったJupyter kernelの作成
IRkernelのREADMEを参考に設定します。Terminal 上でR
と打ってRを起動下状態で作業を進めていきます。
IRkernelのinstallspec
関数でkernelをインストール (登録 ?)します。何用に作成したのかとRバージョンくらいは分かるようにしておいたほうが良いと思います。
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IRkernel::installspec(name = 'ir431', displayname = 'R431_env') |
こんな感じですね。

特にエラーなどが表示されなかったらOKです。q()
→ n
でRから抜けておきます。
もし以下のエラーが表示された場合、仮想環境内にjupyter labがinstallされていないことに起因するので、インストールしましょう。
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Error in IRkernel::installspec(name = "ir431", displayname = "R431_env") : jupyter-client has to be installed but “jupyter kernelspec --version” exited with code 127. In addition: Warning message: In system2("jupyter", c("kernelspec", "--version"), FALSE, FALSE) : error in running command |
蛇足ですが、Kernel一覧はターミナルでも以下を実行すれば確認できます。
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jupyter kernelspec list |
Kernelの指定とJupyter labでのRの実行
実際にjupyter labでRを実行するために、notebook fileを生成します。
Desktop上のbioinfoフォルダ内でいつも解析をしているので、このフォルダ内にJupyter_Rフォルダを作って中にjupyterR.ipynbファイルを作成します。
とりあえず、bioinfoフォルダに移って、、
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mkdir Jupyter_R && cd Jupyter_R touch jupyterR.ipynb |
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code jupyterR.ipynb |
code
コマンドでjupyterR.ipynbファイルを開くと以下のようなブロックが1つだけあるような状態になります。

そのままでは対応言語がpythonのままなので、右上にあるSelect Kernelをクリック→ Jupyter Kernel… → R431_envを選択すると先程作成したkernelを利用してvscode上でjupyter labを経由してRを実行できるようになります。

KernelはR431_envになり、ブロック内のPythonの表記がRに変わりました。
試しにブロック内でRのカレントディレクトリの確認コマンド実行してみるとカレントディレクトリまでのpathが下に表示されているはずです。
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getwd() |

これでRstudioと同じようにcodeを書く⇔実行ができるようになりました。Jupyter labはMarkdownにも対応しているので、

のように、メモを取りながらTutorialを進めたり、パイプライン開発ができます (便利!)
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