仕事とは関係なくプライベートの捕獲調査です。@しばた
琵琶湖の湖西にアユ(Plecoglossus altivelis altivelis)の捕獲調査に行ってきました。
このくらいの時期になると湖岸でコアユと呼ばれる比較的小ぶりな個体を釣っているのをよく見ます。去年始めて天ぷらにして食べましたがとても美味しかったです。名産になるのも納得です。
琵琶湖のアユはもともと琵琶湖が海と繋がっていた時、海と琵琶湖を行き来していたうちの一部が天ヶ瀬ダムなどによって陸封化(海との往来をしていた種が地形の変化によって陸水に閉じ込められて、世代を繰り返すようになる状態)されたグループになります。
本来海と川を行き来する回遊魚ですが、河川の分断化が進む近年では、各所で陸封化しているのではないかと思われるグループが見つかってきています。
また、アユの近縁種であるリュウキュウアユ(Plecoglossus altivelis ryukyuensis)はその性質を利用した遺伝子保全活動もあるみたいです。リュウキュウアユは絶滅危惧種IA (CR : ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの)として位置づけられている種で、保全の重要度はかなり高いです。生態と環境に優しい環境DNAを使ったモニタリングが有効な状況で、山口大学の赤松先生は環境DNAを使ったバイオマス推定にも取り組まれています。
話がそれましたが、春の琵琶湖アユで、そこそこの個体数が必要で、雨予報でもあったので、のんびりした釣りではなく投網を使った捕獲調査にしました。
学生の時から生物調査をするというのに、いつも水ばかりすくっていますが、もともと魚を愛でるのが趣味なので実際に触れ合うのはとても楽しかったです。
昼前くらいに湖北の河川に行って、北から南へ順に捕獲しては別の河川へ、を繰り返していきました。
アユ以外にウツセミカジカやトウヨシノボリ?、カマツカ(最近3種に分かれたのでどれかわかりません)、ウグイが捕れました。ヨシノボリはどの個体も腹が大きく産卵しにきてるようでした。
アユ トウヨシノボリ カジカ ウグイ
一日中投網を投げていたわけですが、投げ方が悪いのか肩がとても痛くなりました。生物調査をしておられる方は、日常的にこの作業をしているのかと思うと、好きとはいえ、かなり辛いものがあるなと痛感しました。
最近は会社に籠って実験ばかりしていますが、休日は自分の生物分類の能力向上のために外で生き物と触れ合うことを積極的にしていこうと思います。
琵琶湖周辺で欲しい生物や環境DNAの水サンプルがありましたらお気軽にご連絡ください。ご協力できると思います。