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環境DNA分析

環境DNAのメタバーコーディングとは?技術知識をわかりやすく解説

メタバーコーディングとは、あるDNAが何の生物種かを判別する手法です。

環境中には様々な生き物のDNAが漂っているため、環境DNAに対してメタバーコーディングを行うことで、そこにどんな生物が生息しているのか?ということが簡単に判別できます。

この技術は急速に発展して業務実装されてきていますが、解析機器である次世代シーケンサーをはじめ、技術的な説明が少しややこしく、混乱しやすい技術でもあります。

これまで30件以上の業務を行ってきた経験をもとに、メタバーコーディングや次世代シーケンサーの技術的な説明をできるだけわかりやすく解説します。

環境DNAとメタバーコーディング

環境DNAとは

環境DNAとは、環境中に含まれるDNA全体のことです。分野によって若干定義は異なりますが、環境DNA学会においては、バクテリアなどのDNAも含むすべてのDNAとしています。

メタバーコーディングとは

メタバーコーディングとは、DNAをバーコードのように使って種を判別する技術です。ご存知の通り、生物は共通の祖先から時間を経て分岐してきました。もとは共通の祖先から進化したため、生存に重要な遺伝子は生物種間で共通していることが多いです。そこで、同じようなDNA配列でありながらも、生物種によって若干異なるような領域を使って、種を判別できるんじゃないか?というのがメタバーコーディングの発想です。

メタバーコーディング解析の原理

メタバーコーディング解析では、上述したような「生物種間で共通しつつ、若干ずつ異なる配列」をターゲットにしてシーケンス(DNA配列解読)を行います。

解読されたDNA配列を既存のデータベースと照合することで、得られた配列に対応する生物種が特定できます。

解析対象の絞り込み(PCR法)

メタバーコーディングでは領域を絞り込んで解析をする必要があります。絞り込みとは、解析領域のDNA配列をコピーし、解析できる数まで増幅することです。ここで用いるのがPCR法です。

PCR法は、DNA解析を理解する上で必ずといっていいほどつまずく部分です。ただ、PCR法さえ把握してしまえば、DNA解析を理解するのは難しいことではありません。PCRについての詳しい解説は「PCRの解説記事」をご覧ください。

PCRでは対象領域を設定するために、プライマーを設定します。環境DNAのメタバーコーディングでよく用いられるものと領域をまとめました。

解析するDNA領域

環境DNAのメタバーコーディング解析でよく使われるのは以下のようなものです。
環境DNAでは12SrRNA領域が用いられることが多いようです。

分類群領域名プライマー名
魚類12S rRNAMiFish
鳥類 12S rRNA MiBird
甲殻類 12S rRNA MiDeca
哺乳類 12S rRNA MiMammal
ウナギ類12S rRNAMiEel
海洋生物
(哺乳類+無脊椎動物)
12S/16S rRNA MarVer 1/3

rRNAとはリボソーマルRNAの略であり、DNAからタンパク質を合成するために必須の遺伝子です。この機能が止まれば生物は生存できないため、rRNA遺伝子の機能に必要な部位は変異が蓄積しにくい性質があります。

rRNAは複数の遺伝子から構成されており、12SrRNAはそのパーツ(サブユニット)のひとつです。また、12SrRNAはミトコンドリアDNA上に存在しています。

次世代シーケンサーによるメタバーコーディング

次世代シーケンサーとは、DNA配列を端から解読していくための装置のことです。この機械が出現した当時は、まさに次世代という名前が相応しい衝撃でした。

次世代シーケンサーは、ナノテクノロジーとコンピュータ解析を利用し、それまでの装置とは比較にならないほど圧倒的な効率でDNAを解読できる機械です。最近は廉価版機体も登場したため、導入するところも増えたようです。

環境DNAのメタバーコーディング費用

環境DNAを用いたメタバーコーディングの相場は3~4万円/検体程度が多いです。
ただ、10検体をまとめて頼むとなればある程度は安くなることも多いようです。

詳細は分析会社に問い合わせてみるのが良いかと思います。
(うちの場合は、おもしろそうな内容であれば勝手に値引きすることがあったりなかったり・・・。)

最初はどういうものかも不安だと思いますので、一度問い合わせてみるのが良いと思います。もし不安なことがあれば、こちらのお問い合わせフォームからご連絡してください。

つたない文章でしたが、ひとまずこれで終了とします。

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